日本自然保護協会(NACS-J)が提供する、暮らしをワンランクアップさせる生物多様性の世界

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UPDATE 2014/06/12

NEWS

一度は訪れたい! 人の暮らしも自然も生き生きしたまち

ユネスコエコパークってなに? 世界遺産と違うもの?

皆さんは「ユネスコエコパーク」をご存知でしょうか? ユネスコエコパークは、世界遺産で知られるユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の認定制度のひとつです。

本日6月12日に、日本で6番そして7番目のユネスコエコパークとして3000m級の山々が連なる「南アルプス」(山梨、長野、静岡県)と、奥会津の豪雪地帯にブナ原生林が広がる「只見」(福島県)の登録が決定しました!

 ユネスコエコパークってなに??

ユネスコエコパークの正式名称は「生物圏保存地域(Biosphere Reserves: BR)」ですが、ちょっとおカタイので、より親しみを持ってもらえるように、日本では「ユネスコエコパーク」と呼ばれています。
ここがどんな地域かというと、「自然と人間社会の共生」ができているモデル的な地域ということ。豊かな生態系や生物多様性を保全し、自然に学ぶとともに、文化的にも経済・社会的にも持続可能な発展を目指す、地域づくりのモデルとして高く評価されたエリアが、ユネスコエコパークに登録されています。

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▲2012年にユネスコエコパークに登録された宮崎県綾地域。照葉樹の原生林が広く残されているとともに、自然の恵みを活かした有機栽培農業やまちづくりが進められています。日本自然保護協会も綾町や地元団体、宮崎県、林野庁とともに、自然と共生した地域づくりに取り組んでいます。

 

世界遺産とどう違うの?

世界自然遺産は「世界の中で唯一無二、オンリーワンの特色ある自然を手つかずに守ること」が原則となっていますが、ユネスコエコパークは、「自然保護と持続可能な利用を考え、自然と人間とのお互いの関係の構築を目指した地域」を認定する制度です。

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ユネスコエコパークとして登録されるには、自然の価値だけでなく、自然を利用する地域の住民、研究者や地方公共団体などの、自主的かつ日常的な保全活動が重視されます。

保護の方法も、法規制で保護する世界遺産と違い、法律による規制と自主管理を併用した、共同管理による保護が求められるのです。

複雑な土地利用が絡みながら、貴重な自然が点在する日本の里やまや沿岸地域のような環境には、このユネスコエコパークの制度は、地域の保全戦略としても非常に活用しやすいものといえるでしょう。

地域の自然を保護していく手段のひとつとして、日本自然保護協会ではこれまでも、国際的な基準に基づく保護地域として世界自然遺産やユネスコエコパークなどへの各地の登録推進を支援してきました。

ほかにも国際的な登録制度はさまざまなものがありますが、地域の状況や特徴に合せた制度を活用することで、自然環境の保護とともに自然と共生する地域づくりを進めることができるのです。

 

ユネスコエコパークの特徴は?

人と自然の共生を目指すユネスコエコパークには、コアエリア(核心地域)・バッファーゾーン(緩衝地域)・トランジッションエリア(移行地域)という3段階の地域区分(ゾーニング)があります。厳正な自然保護を行うコアエリアを、バッファーゾーンが守るように取り囲み、トランジッションエリアで持続可能な利活用が行われます。居住地も、トランジッションエリアに含まれ、地域の社会発展・経済活動を担っていきます。

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ユネスコエコパークの取り組みの詳細は、日本自然保護協会の会報『自然保護』No.531の特集「世界基準で守る地域の自然」でじっくりご紹介しています。
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